半導体を中心とする米中ハイテク摩擦の長期化が台湾海峡情勢の緊張を高めています。中国政府・産業界は悲願である半導体の国産拡大において台湾の企業・人材との連携を重視してきましたが、米国による対中制裁でその道筋を断たれたからです。一方で、台湾側がTSMCなど地元の半導体産業を「シリコンの盾」として対中抑止に使っているとの見方もあります。本講演では来年1月に投開票される台湾総統選の行方も踏まえ、米中台のハイテクトライアングルの現状と見通しを解説します。
また株式会社FRONTEO 取締役山本麻理より、FRONTEO AI “KIBIT Seizu Analysis”を活用したサプライチェーンの解析事例についてお話いたします。
日本経済新聞で台北支局長、アジア部次長、中国総局長を歴任し、日本経済研究センター研究員兼務を経て2023年4月より現職。共著に『アジアの経済安全保障 新しいパワーゲームの構図』(日本経済新聞出版)、『点検 習近平政権 長期政権が直面する課題と展望』(文眞堂)など。早稲田大学政治経済学部卒、北京大学外資企業EMBA修了。